ダイセルは人事制度を約20年ぶりに刷新する。年功序列を廃し、キャリアパスを複線化する。4月から管理職約800人を対象に新人事制度を導入。組合員約2200人に対しても、2022年4月に新制度を導入する。ゼネラリスト志向の従来制度に代え、個人の強みに応じた多様なキャリア形成で組織活性化につなげる。

新制度では複線型人事を明確にする。管理職向け制度では「マネジメント職(M職)」「プロフェッショナル職(P職)」「フェロー職(F職)」の三つのキャリアパスを設けた。また、役割の大きさに応じて等級や序列を決める「役割等級制度」を導入。役割や責任に応じた処遇ができ、会社経営や部門運営に携わるM職に若手を登用しやすくなった。

P職は管理職のうち約600人が対象で、事業部門の課題を専門性の発揮により解決する。F職は社外でも通用する高い専門性を求め、研究職のほか人事や経理など事務系にも対象を広げた。

年功序列が残る従来制度では若手を登用しても責任と処遇が合わず、モチベーション維持に難しさがあった。また従来でも研究職などで「専門理事」「専門参事」など専門職制度はあったが対象者は少数にとどまり、実際にはゼネラリストを中心とした単線型制度となっていたという。

管理職向け新制度では職務に報酬が対応するジョブ型よりも柔軟なロール型とし、個々の社員が担う役割に報酬をひも付ける。

組合員への新制度導入はすでに労働組合と合意した。制度内容の詳細は交渉中だが、二つの区分に分ける計画。評価は行動姿勢のほか、製造現場では技術の習熟度、学部卒を中心とする職種では業績を重視する方針。

同社は新制度で管理職向けの人件費は年間数億円増えるという。杉本幸太郎取締役専務執行役員は「25年度に向けた中期戦略達成のために必要な投資」と位置付ける。