松江工業高等専門学校の土師貴史講師と大網透弥専攻科生らの研究グループは、柔軟に曲がる全周囲クローラーを開発した。脊椎のように椎(つい)体を連結してクローラーの骨格を作製。クローラー自体がぐにゃぐにゃと曲がりながら走行するため、地面の凸凹への追従性が高く滑りにくくなる。災害救助や配管点検などの探索ロボットに応用していく。

全周囲クローラーの骨格は、凸型の椎体を前後につないだ構造。凸側の連結穴にテーパーを切り、芯棒を通すと椎体同士が上下方向に動けるようになる。椎体一つひとつは硬いが連結させると上下左右にぐにゃぐにゃと曲がる。この椎体の外周を連結型の履帯が回転する。駆動には遊星歯車機構を採用し、小さなモーターで大きな力を出せるようにした。

椎体骨格のサイズは長さ100センチ×幅8センチ×高さ15センチメートル。履帯に歯に当たる「グラウザ」を取り付けて全周囲クローラーとした。機体の湾曲角度は上下100度、左右220度、ねじり方向16度と、クローラー自体が柔軟に変形する。

今回は幅39センチメートルのグラウザを取り付けたが幅20センチメートル程度まで細くできる。繰り返し構造のため、短くしたり長くしたり調整が可能。配管など進入する空間に合わせて設計する。

クローラーは接触面積が大きく安定して不整地を走りやすい。一方で、接触面積が大きい分、摩擦が大きく急カーブの走行が難しかった。

クローラーの骨格が柔軟に曲がることで不整地の凸凹に追従しつつ、急カーブを滑らかに曲がれる。