国内造船業の技能者数が1万人を割り込んだ。日本造船工業会の会員企業調査で明らかになったもので2021年4月時点で9200人弱と前年同期を約8%下回った。1万人割れは調査開始以来初。中国、韓国との価格競争激化やコロナ禍による商談停滞などで近年の新造船受注は厳しい状況が続く。これに伴い商船事業を縮小する動きが相次いだことが一因とみられる。

造船所で溶接や塗装、組み立てなどを手がける技能者は少子高齢化や生産の自動化、新造船受注量の減少、商船事業縮小などで漸減傾向にある。1月時点からも約380人減っており、減少ペースは今後さらに速まる可能性がある。

一方で、足元は円安や船価上昇などで新造船受注環境に好転の兆しがあり、日本船舶輸出組合の輸出船契約実績は5月まで5カ月連続で増加した。海事産業強化法も成立し、追い風となる。ただ、鋼材高や資機材高などが懸念材料で、予断を許さない状況は続く。