ヤマハ発動機は、インターネットにつながるコネクテッド機能を搭載した2輪車を国内投入した。エンジン回転数や燃費などの走行データ、最後に駐車した位置、メンテナンス情報などを取得できる。これらのデータを活用した新サービスを生みだしユーザーの利便性向上につなげる。また新製品の企画や開発にもデータを生かす方針だ。(浜松・市川哲寛)

ヤマハ発は6月、国内モデルでは初めてスマートフォン用アプリケーション(応用ソフト)「ヤマハ・モーターサイクル・コネクト」に対応したエンジン排気量125ccの原付き2種スクーター「NMAX(エヌマックス) ABS」を発売した。

同アプリとエヌマックス ABSを接続すると車両メーターにメールなどの着信通知やスマホ電池残量などが表示される。トラブル発生時は事前登録したメールアドレスに情報を自動送信する機能も持つ。同アプリ対象の2輪車は、同社最大市場のインドネシアを皮切りにアジアや欧州で順次投入しており、2024年までに累計400万台を目指す。

「ユーザーと直接コンタクトできるようになり、購入後の満足度をさらに高めるチャンスができた」―。同社のMCつながる推進グループの担当者は話す。世界中の同アプリ搭載2輪車から収集した走行情報などのビッグデータ(大量データ)を活用し、ユーザー個人に最適化したツーリングプランの提案などを目指す。

一方、ビッグデータは社内の製品開発や品質保証にも役立てる。ユーザーの2輪ライフを分析してニーズの把握に役立てる。将来、2輪車以外の同社製品へのコネクテッド機能搭載を視野に入れる。ビッグデータを活用し「ユーザーのライフスタイル、ライフステージに合わせて最適なサポートを目指す」(MCつながる推進グループの担当者)とする。

乗り物のコネクテッドでは4輪車が先行する。完全自動運転機能などの実現のため、必要不可欠な機能になる。これに対し2輪車のコネクテッド機能は「何のためにつながるのか、どんな価値を提供できるのか、丁寧に示す必要がある」(同)と説明する。コネクテッド機能が2輪車を進化させる起爆剤となるためには、まずはユーザーに利便性と楽しさを感じてもらうことが優先事項となる。