京都大学は25日、住友林業と共同で、木造人工衛星の打ち上げを目指し、国際宇宙ステーション(ISS)で世界初の木材の宇宙暴露実験を12月から行うと発表した。宇宙空間での木材の劣化を分析する。2020年春に始めた、宇宙での樹木育成と木材利用の共同研究「宇宙木材プロジェクト」の一環。23年に世界初の木造人工衛星「LignoSat(リグノサット)」の打ち上げを目指す。

密度の違う3種類の木材、ホオノキとヤマザクラ、ダケカンバで56ミリ×8・6ミリ×5ミリメートルの試験体を作製。宇宙空間に半年さらし、原子状酸素(AO)による表面消失や宇宙線による化学変化、高真空や熱、紫外線などの影響を調べる。強度の変化測定や顕微鏡での組織構造観察、X線での結晶構造解析で劣化の仕組みを解明する。

AOからの影響を評価できるポリイミド樹脂シートで包んだ試験体も作った。表面保護の効果も同時に検証する。地上でのガンマ線照射と内部構造変化の比較も行い、さまざまな角度で評価。劣化の予測と抑制技術の開発に取り組む。京大の土井隆雄特定教授は「木材は宇宙で使える唯一の再生可能資源で人工衛星材料に適している」と力説。高温に強く、電磁波や磁気波を透過するためアンテナや姿勢制御装置を人工衛星内部に設置できる。運用終了後は大気圏突入で完全に燃え尽き異物を残さない。これら特性を踏まえ、海外にも木造人工衛星を売り込む構想を持つ。