TBM(東京都中央区、山﨑敦義最高経営責任者〈CEO〉)は2022年秋、神奈川県横須賀市で国内最大となる年4万トンの廃プラスチックのリサイクル工場の運営を始める。同社が開発した石灰石が主成分の新素材も選別して再生する。プラスチックの廃棄抑制や再利用拡大を促進する新法の22年度施行を控え、他社にもリサイクル事業拡大の動きが広がると予想される。(編集委員・松木喬)

TBMが30日、発表した。東邦電線工業が横須賀市内に保有する土地に工場を建設し、TBMが借り受けて事業を運営する。工場の建物床面積は7859平方メートル。年4万トンの廃プラを引き取り、年2万4000トンの再生プラを生産する。

海外製の選別装置を導入する。粉砕したプラに近赤外線を照射し、素材別に自動的に分ける。選別後はペレット状に加工し、製品材料として販売する。

同社の新素材「LIMEX(ライメックス)」の選別方法も確立した。ライメックスは自由な形状に加工できるため、石油プラ代替として容器や事務用品などに使われている。他の素材と混ざっていても新工場で選別でき、繰り返し利用が可能だ。

TBMの山﨑CEOは「横須賀を起点として市内企業と協業しながら、新しい資源循環モデルを国内外に発信する」と意気込む。TBMは11年設立。7月には韓国SKグループから135億円の出資を受けた。ライメックスは6000社が採用している。石油資源の使用を抑制する“脱プラ”素材として脚光を浴びてきたが、資源循環の取り組みでも評価されそうだ。

プラスチックをめぐる法規制が変わろうとしている。政府は22年度、プラスチック資源循環促進法を施行する。家電や容器包装などの用途別のリサイクル法と違い、プラスチック全般を網羅した新法だ。

詳細を検討中だが、年5トンの使い捨てプラを使用する事業者には削減策を義務付ける。取り組みが不十分だと国が勧告や命令を出し、従わないと50万円以下の罰金を科す。また、有料化や再利用などの規制対象としてフォークやスプーン、ストローなど12品目を検討している。

新法ではメーカーが使用済み製品を自主回収できる仕組みを整え、再生プラを収集しやすくする。また、市町村が容器包装以外の製品も家庭から一括回収できるようにする。あらゆるプラ製品の再生が促されるため、各地でリサイクル工場の新設や増強が起きそうだ。

プラスチック循環利用協会によると19年度は850万トンのプラ製品が国内で廃棄されたが、製品への再利用は2割にとどまり、6割以上が焼却された。新法の施行後、廃プラ処理はリサイクルへシフトする可能性があり、TBMの新工場はリサイクル市場拡大の序章となりそうだ。