日刊工業新聞社がまとめた8月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同月比99・5%増の358億4800万円で、9カ月連続の増加となった。中国や欧米を中心に輸出が引き続き好調で、国内も補助金効果が加わったことで回復傾向が強まっている。引き続き堅調な受注環境が見込まれるが、メーカーでは部品・部材が今後逼迫(ひっぱく)する可能性があり、生産への影響の懸念が強まっている。

輸出は6カ月連続の200億円超え。中国需要はピーク時からは落ち込んできたものの高水準を維持しており、北米や欧州では幅広い業種で需要が広がっている。

牧野フライス製作所は中国で商用車のディーゼルエンジン向けの受注があったほか、米国も半導体製造装置や商用車関連向けに受注。オークマは欧州向けがイタリアやトルコを中心に前年同月比約4倍に伸び、業種も「自動車部品のほか、食品機械や医療機器など多岐にわたる」(マーケティング室)という。

OKKは輸出が同9・6倍と大幅に増加。特に米国が好調で「自動車と航空機業界向けに5軸機、自動化の設備投資の引き合いが主になってきている」(担当者)という。

日本電産マシンツール(旧三菱重工工作機械、滋賀県栗東市)は、前年同月の中国向け大口受注の反動により輸出が減少となったが、台湾や米国で歯車機械を受注するなど堅調に推移。今後は「東南アジアやインドの回復が待たれる状況」(事業戦略推進室)と期待する。

一方、国内は7社の総額が2カ月連続で130億円を上回った。芝浦機械は産業機械や金属加工、エネルギー関連向けに受注し「7月に続いて複数の案件で事業再構築補助金の採択が見られた」(広報・IR部)という。幅広い業種で設備投資の動きが広がっており、メーカーでは「9月も補助金採択による受注計上がプラスに働く」(牧野フライス製作所)と期待する。

また部品・部材の逼迫について、各社は直近で影響は出ていないものの、「今後も続けば、顧客の短納期要請に応えられずに競争が厳しくなる可能性がある」(大手メーカー担当者)との声も上がる。


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