日本財団(東京都港区、笹川陽平会長)と大阪大学は、感染症研究の基盤構築を柱とし、新興感染症に即応する「日本財団・大阪大学 感染症対策プロジェクト」の行動計画を発表した。新型コロナウイルス感染症拡大で明らかになった社会・経済活動の維持や、感染症の予防と治療、医療崩壊の阻止の三つの課題に対して、両者で展開する。日本財団は阪大に今後10年間で約230億円を助成。国内外の大学や研究機関との研究などを後押しする。

阪大は三つの課題解決に向け、4月に「感染症総合教育研究拠点」を設置している。

同プロでは特に感染症予防と治療に対する研究基盤構築に力を入れる。分野横断的な研究により、ヒト生体防御システムの基本原理解明などの研究を推進。新たな予防・治療薬の開発と普及を可能とする基盤を構築する。

また、世界最高水準の研究基盤・異分野の専門家が集う国際的な研究棟を2025年3月に阪大吹田キャンパス(大阪府吹田市)内に完成させる計画。

日本財団の助成額のうち約115億円を研究棟関連に投じ、約90億円を感染症研究の基盤構築に充てる。

同日、都内で開いた会見で日本財団の笹川会長は「阪大は柔軟性のある学風を持つ大学。(新研究棟は)世界的にオープンに研究者が集える場所だ」と助成に至った背景を説明。阪大の西尾章治郎総長も「日本財団とは基礎研究が大事という点で一致した」と述べた。