リース大手が再生可能エネルギー事業で新たな展開を見せている。オリックスは海外で、グループの再生エネ会社と資産運用会社を連携させ、投資資金を確保する。三菱HCキャピタルは国内で、農地での太陽光発電に取り組む。両社ともに事業規模が既に大きい中で、成長余力を見いだそうと動く。(戸村智幸)

オリックス、海外でグループ連携

オリックスは7月、スペインの再生エネ会社エラワンエナジーを買収した。株式の80%を約1000億円で取得した。海外の再生エネ会社に出資してきたが、買収は初だ。

エラワンは風力、太陽光など再生エネ発電所の開発計画が1000万キロワット以上ある。それらを実現するには投資資金の確保が必要。そこでオリックスは、1月に買収した英国の資産運用会社グラビスキャピタルマネジメントと連携させる計画だ。

エラワンの再生エネ発電所をグラビスに売却し、エラワンは投資資金を確保する。グラビスは発電所を再生エネファンドの運用資産にして、投資家から資金を募る。発電所の売電収入の一部を投資家に利回りとして提供するなど、不動産投資信託(REIT)のような形態を構想する。

高橋英丈執行役環境エネルギー本部長は「再生可能エネルギーと祖業の金融を組み合わせ、グループの強みを発揮できる」と利点を強調する。

三菱HC、農業一体型「太陽光」

三菱HCキャピタルは国内で、太陽光発電と農業を組み合わせた「ソーラーシェアリング」に力を入れる。7月には、西武ホールディングス(HD)のグループ2社と共同で、埼玉県所沢市の発電所を稼働させた。太陽光パネルの下で、ブルーベリーやブドウを栽培する。

遊休地の農地の活用策として、ソーラーシェアリングに白羽の矢が立った。発電した電力は同市の新電力に供給する。ブルーベリーなどを販売し、地域の農業振興にもつながる。三菱HCは先行例で、宮城県登米市で大和ハウス工業などとキクラゲを栽培するソーラーシェアリングに取り組む。今後も、各地でパートナーを探して案件創出を目指す。

三菱HCキャピタルが稼働した農業一体の太陽光発電所

三菱HCはこのほか、自社の風力発電と太陽光発電の一体運営も視野に入れる。稼働済みの風車の下に太陽光パネルを設置するイメージだ。安栄香純副社長は「太陽光発電の適地がなくなってきており、検討材料だ」と説明する。

2社ともに、再生エネを社内外の別の事業などと連携させることで、再生エネを伸ばすことが共通している。今後はこうした一工夫が、再生エネ事業の拡大に不可欠になりそうだ。