東京理科大学の仲吉信人准教授、小野村史穂助教らの研究グループは小型・安価で降水強度や雨滴サイズを長期観測できる降水観測システムを開発した。画像処理で降水粒子を検出することで降水粒径分布などが得られ、降水予測の精度向上につながる。飛行ロボット(ドローン)に搭載して移動観測も可能。小型化の協力企業を求め、3年後をめどに実用化を目指す。

開発した「イメージ・ディストロメーター」は透明な平板に落下する雨滴を下方から連続撮影し、それを解析して雨滴半径を算出。そこから雨滴粒径や降水強度を得る。

まだ試作段階だが、1台当たり1万円程度の費用で作れる。電子回路から自作すれば数千円台にできる見込み。従来の雨滴計は80万から1000万円程度していた。平板に残る雨の痕から立体の雨滴に計算処理するため、高速カメラなどが不要。一般的なカメラ1台で撮影できるためコストを下げられる。

消費電力は従来の20分の1の1ワット以下にできる。自動車用のワイパーを使用しているが、今後は小型化するなどして装置サイズを10センチ×10センチメートル以下にする予定。ホバリング状態のドローンで使える。今後、動く車両への適用やデータ通信などへの応用を検証する。

官公庁での利用、気象観測の高精度化に向けた研究用などの需要を見込む。市民が気象測定したデータをクラウド上で共有する取り組みなどの普及にもつなげたいとしている。

近年、水害の被害が増える中、降水量の精密な観測が求められている。局地的な豪雨に対応するため気象庁の地域気象観測システム(アメダス)に加え、精密な観測に向けて気象レーダーによる観測が進む。だが、レーダーは上空観測に限られ、地上降水量とは差がある。降水粒径を測定できるレーザー式降水測定装置も高価で消費電力がかかるなど多点展開が難しかった。