M&A(合併・買収)仲介の大手5社は、業界初の自主規制団体「M&A仲介協会」の設立会見を都内で開いた。中小企業経営者の高齢化により事業承継が喫緊の課題となる中、M&A仲介の品質とモラルを向上し、事業承継を促進する。人材育成にも取り組み、苦情相談窓口も運営する。団体設立により、5社のノウハウを三百数十社とされるM&A仲介業者に広めることを狙う。

日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ、オンデック、名南M&Aの社長を理事として、1日付で設立した。代表理事に就いた三宅卓日本M&Aセンター社長は会見で、「中小経営者が安心してM&Aに取り組める正のサイクルを作る」と意気込んだ。売り手と買い手両方を顧客にすることによる利益相反問題を指摘し、取り組む方針を示した。

2022年1月からM&A仲介業者や金融機関を対象に会員を募集する。苦情相談窓口は同年4月から運営する。

経済産業省・中小企業庁が20年に策定した「中小M&Aガイドライン」を含め、適正な取引ルールを徹底する。同庁は4月にまとめた「中小M&A推進計画」で自主規制団体設立を求めていた。

同庁は、25年には経営者が70歳を超える企業が約245万社になり、うち約127万社が後継者未定になると試算する。その約半数が黒字廃業の可能性があるという。協会はM&A仲介業の品質とモラル向上により成約件数を増やし、「黒字廃業予備軍の60万社を救う」(三宅社長)ことを目指す。