コンビニエンスストア大手の1日当たり店舗平均売上高(平均日販)が回復している。2021年3―8月期で、大手3社が前年同期比でそろって伸長。コロナ禍での生活様式の変化に素早く対応し、ニーズに合った商品・サービスを充実させるコンビニのスピード感が発揮された格好だ。ただ、全社がコロナ禍前の実績には戻り切れておらず、収益力をさらに高める戦略の実践が求められている。

21年3―8月期での各社の全店平均日販をみると、最大手のセブン―イレブン・ジャパンが前年同期比9000円増の65万円、ファミリーマートが同1万9000円増の50万7000円、ローソンが同1万2000円増の49万7000円だった。

各社がコロナ禍対応を急ぎ、売り場の刷新のほか、宅配や来店促進のサービス拡充などを推進。新型コロナウイルス感染拡大で大きく落ち込んだ前年から回復した。

さらなる回復に向けて、事業環境は好転しているように映る。足元では緊急事態宣言や「まん延防止等重点措置」の全面解除による行動制限の緩和で、消費回復の期待が高まる。だが、下期については慎重な見方が強い。

セブン―イレブンを傘下に置くセブン&アイ・ホールディングス(HD)は22年2月期通期での国内コンビニ事業で、売上高に当たる営業収益を下方修正した。回復の鈍さがその理由だ。セブン&アイHDの井阪隆一社長は「国内コンビニについては、トップライン(売上高)をどう上げるか、利益率をどう上げるか、生産性を高めながら販管費をどう抑えるか、の三つが再成長に向けた大きなテーマ」と強調する。

ローソンの竹増貞信社長は「緊急事態宣言がないまま、(新型コロナ感染拡大の)第6波が来ないままで下期を過ごせるのか見通せない」と、感染再拡大を警戒する。

環境は依然として厳しいものの、コンビニは来店・購買意欲を刺激する商品・サービスを発信し続けている。平均日販がコロナ前の水準に戻った時が、コンビニ業界にとってのコロナ明けといえる。