米国半導体大手のマイクロン・テクノロジーがパソコンなどのデータの一時記憶に使うDRAMの新工場を広島県内に建設する計画が明らかになった。東広島市の既存工場近くで2024年までに稼働し、総投資額は最大で8000億円に上る見込み。データセンター向けなどの中長期的な需要拡大に備える。製鉄所閉鎖や造船不況で雇用悪化が心配される地元経済にとっても朗報となりそうだ。

マイクロンは広島工場(広島県東広島市)周辺に土地を取得し、先端DRAMの製造棟を建設する。半導体製造装置などを含む総投資額は6000億―8000億円とみられる。日本政府も補助金などで一部支援する可能性がある。工場新設による雇用創出効果は協力会社込みで2000―3000人規模と予想される。

13年にエルピーダメモリを買収して手に入れた広島工場は、その後の積極投資で現在は敷地内に増設余地がない。マイクロンは同じくDRAM工場のある台湾、NAND型フラッシュメモリー工場のあるシンガポールを含めて新工場の立地を検討したが、台湾海峡リスクやアカデミア・サプライヤーとの連携の観点から日本に決めたもようだ。

マイクロンは19―21年度の3年間に日本で計70億ドル(約8000億円)の投資を行っており、外資系企業の投資規模としては最大級だ。広島工場など国内5拠点に4300人以上の従業員が働いており、エルピーダ買収当時と比べて16%増員しているという。

ただ、そんなマイクロンもDRAMなどでしのぎを削る韓国・サムスン電子やSKハイニックスとの市場競争では劣勢だ。今後はロジック半導体と同様にDRAMも回路線幅のさらなる微細化が不可欠であり、マイクロンにとって研究開発面でも日本の重要性は増すばかりだ。

マイクロンは日刊工業新聞社の問い合わせに対して「特定の製造施設の投資計画については公表していない」と回答している。