人工知能(AI)が旅行先を提案するサービスを運営するAVA Intelligence(アバインテリジェンス、東京都千代田区、宮崎祐一社長)は、広島県との実証開発を経て「AVA Travel(アバトラベル)」の正式版を公開した。新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が解除され、今後政府は観光需要喚起策「GoToトラベル」の再開を検討している。観光需要の回復が想定される中、AIを活用した旅行提案サービスとして注目されそうだ。

アバトラベルは、ユーザーの希望や条件をもとにAIが推奨する旅行先や観光地などを提案するサービス。旅行先情報の閲覧や保存から航空券、ホテル検索も可能だ。2019年8月に公開したアバトラベルのβ版では、海外の約100都市からユーザーに合わせた旅行先の提案を行っていた。だが、新型コロナの影響もあり、国内旅行先の提案にも対応。現在は国内外で計約400の旅行先からユーザーに合わせて提案を行っている。

21年4月には広島県のアクセラレーションプログラム、ひろしまサンドボックス「D―EGGS PROJECT」に採択され、実証開発を行った。ひろしまサンドボックスとは、広島県が中心となって運営を行うAI・IoT(モノのインターネット)実証プラットフォームの事業構想だ。次世代技術によって、これまでにない新しいソリューションを創り出し、技術やノウハウを持つ広島県内外の企業や人材を呼び込み、さまざまな産業・地域課題の解決をテーマとして、共創で試行錯誤できるオープンな実証実験の場を構築する。

今回公開したアバトラベルの正式版では、現地での具体的な観光スポットやホテル、体験、レストランまでユーザーごとに勧める順で提案することを可能にした。特に広島県尾道市周辺の観光情報については「現地の人のみぞ知るような情報も提案されるようになっている。自力で探していては出会いにくい、新たな発見を提供する」(アバインテリジェンス)と力を入れる。

また、今後は新たな事業として旅行提案機能のAPI(応用プログラムインターフェース)提供事業にも挑戦する。アバトラベルの裏側で動いている旅行提案機能(レコメンドエンジン)をAPIとして提供する。これにより「レコメンドエンジン提供先は具体的な旅行プランの決まっていない検討ユーザーに対して瞬時に旅行情報を提案することが可能になる」(同社)と、ユーザーの旅行体験価値の向上が期待できる。(山下絵梨)

「レコメンドエンジンのAPI提供」イメージ