オリックスが再生可能エネルギーを地産地消できる将来に向けて動き始めた。東京大学と共同で、再生エネの需要側と供給側を地域内で結びつける実証実験を福島県会津若松市で始めた。電力ネットワークが現状の集中型から分散型に移ることが期待される中、再生エネの地産地消を実現する技術の確立に挑む。

国連の持続可能な開発目標(SDGs)の一つに、エネルギー、中でも再生エネの普及がある。地産地消は有力な手段と言えるが、需要と供給をそれぞれ予測するなど技術的な課題がある。

同社は国内外で、太陽光や風力など再生エネ発電事業の豊富な実績を持つ。一方で電力の将来像に向け、東大と2019年から、ブロックチェーン(分散型台帳)を活用して再生エネ由来の電力の発電から消費までの履歴を証明するトラッキングシステムを共同研究してきた。

太陽光や風力など再生エネ発電事業の知見を実証に生かす

実証実験ではその成果を活用し、人工知能(AI)などで電力の需要と供給量をそれぞれ予測し、直接取引するシミュレーションを実施する。実際に再生エネを直接取引するわけではない。期間は22年3月末まで。

会津若松市では、同社のグループ会社が温泉旅館を運営している。他社の太陽光、風力、水力の発電所もある。これらをマッチングするイメージだ。

旅館側では、稼働率や季節ごとの気象条件を考慮し、電力需要を予測する。発電所側では、気象条件による供給量を予測する。需要側と供給側が直接取引するモデルをつくれるか検証する。グループ会社のユビテックが需給の予測モデルを構築する。

東大大学院の田中謙司工学系研究科准教授は「オリックスと一緒なら受け入れられやすい」と期待を示した上で「リアルタイムのデータをマッチングするのが面白いところ」と実証の意義を説く。オリックスの佐藤厚範環境エネルギー本部副本部長は「再生エネの主力電源化や分散型エネルギーを目指して頑張る」と意気込む。