北海道大学の角五彰准教授とモウシュミ・アクタ博士研究員は、九州大学と米コロンビア大学、関西大学、名古屋大学と共同で、分子ロボットを群れとして働かせ、微小ビーズの輸送に成功した。可視光を当てた領域から紫外光を当てた領域へビーズを運ぶ。分子ロボが実働することを実証した世界初の例になるという。

分子ロボは直径25ナノメートル(ナノは10億分の1)で長さは5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。モーターたんぱく質を駆動系、デオキシリボ核酸(DNA)分子コンピューターを制御系、アゾベンゼンの色素分子をセンサー系として用いる。可視光照射下ではチューブ状の分子ロボがDNAを介して群れを作り、ビーズを捕捉して運ぶ。紫外光照射下では分子ロボが離散してビーズも放出される。

分子ロボ単体では直径約3マイクロメートルまでのビーズを運べたが、群れを成すことで同30マイクロメートルのビーズを運べた。輸送効率は5倍向上した。光の照射位置を変えることでビーズを目的の場所に運べる。輸送精度は誤差30マイクロメートルと小さい。分子ロボットの研究はあったが実効的なタスクを遂行した例はなかったという。薬物輸送や分子発電素子などの開発につながる。