ビール大手は5月に瓶やたるなどの業務用ビールを大幅に増産する。アサヒビールが前年同月比5倍、キリンビールが同4倍と大幅増産。2021年5月は新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言が発出されていたが、3月にまん延防止等重点措置が全面解除。飲食店での酒類提供に制限がなくなったことや、酒税法改正によるビールの酒税減税を受け、需要が拡大している。ただ、19年比では5割程度の水準にとどまっている。

ビール大手4社は4月も増産しており、アサヒビールは同5割増、キリンビールが同2倍、サッポロビールが同5割増、サントリービールが同4割増。

各社、ビールの需要拡大を受け、商品施策を強化している。アサヒは主力の「スーパードライ」を発売以来初めて処方から大幅にリニューアル。サントリーは糖質ゼロのビール「パーフェクトサントリービール」の業務用を投入するほか、「マスターズドリーム5リットル樽(たる)」を展開。これまで樽商品は10リットルを展開していたが、品質の保持が困難だった飲食店に対し、容量を半分にした商品を提供することで、需要を取り込む。また、キリンも飲食店向けにペットボトルで提供可能なサーバー「TAPPY(タッピー)」を拡販。21年から販売を始め、導入店舗が5000店に広がった。

21年は「酒類提供禁止など、何らかの規制がある日が296日あった」(塩沢賢一アサヒビール社長)と、厳しい事業環境が続いた。業務用ビールの出荷量はアサヒが前年比27%減、キリンが同30%減、サッポロが同20%減、サントリーが同25%減と大幅に落ちた。ただ、22年は前年比では大幅な増産となるが、新型コロナウイルスの感染拡大前の19年の水準には戻っていないとみられる。「22年も19年のレベルには戻らない、7割程度では」(同)と厳しい見方を示す。