コロナ禍の巣ごもり需要を受け、北米における2021年のクボタの農機小売台数が初の20万台を突破し22年も増える見込みであることが分かった。造園用途などでコンパクトトラクターが伸びており、増加傾向は当面続くとみられる。ただ、現在は流通在庫が少ない状況が続き、生産増強で十分な供給量を確保するには「来年いっぱいかかる」(渡辺大取締役専務執行役員機械事業本部長)見通しだ。

北米向け農機の21年の小売り台数は20年比4%増の20万5000台だった。リモートワークの普及に伴い邸宅での造園需要が増えたほか、郊外への移住が増加し住宅の着工件数が伸びたことから小型農機の引き合いが増えた。コロナ禍の巣ごもり需要でこうした傾向に拍車がかかっているという。米国の金利引き上げにより伸びが弱まる可能性があるが、渡辺事業本部長は「足元の需要は非常に強い」とみる。

ただ、コロナ禍当初に需要減を見込み減産したことが響き、現在もなお供給が追い付いていない。2月に宇都宮工場(宇都宮市)から北米向けトラクターの輸出を始めるなど、増産体制を強化しているものの、「生産能力の増強には1年から数年かかる」(

同)見通しだ。

クボタは40馬力以下のコンパクトトラクター市場でシェア40%と北米トップの売り上げ台数を誇る。国内のような農作業用ではなく、草刈りや軽土木作業など個人用途での利用が多い。

主力のコンパクトトラクターに加え、近年は畑作用に200馬力の大型トラクターも投入。4月にはジョージア州に新開発拠点を設立し、トラクター用インプルメント(作業機器)の開発など北米市場向けの製品開発を加速する。今後は北米で「スペシャリティー市場として果樹やブドウ(などの農業用市場)を攻める」(同)方針だ。