フジ・インバック(横浜市磯子区、田辺誠治社長)は、自社開発の固定翼型無人機の滞空時間を現在の30時間から2022年秋に37時間、23年3月に40時間に延ばす。空中に長時間とどまれるように改良することで、海上監視などの国防需要を狙う。早期警戒管制機「E767」は日本の自衛隊も導入済みだが機数が4機と少ないため、交代時期や飛行場などの悩みを抱える。滞空型無人機でこの弱点のカバーを目指す。

滞空時間の延長は燃料タンクの増設やエンジンの改良、機体の再設計などで達成を図る。エンジンは自社開発で、燃料はガソリン。「37時間までの延伸はインテグラルタンクの増設とエンジンの細かい改良で何とかなるが、40時間になると機体をさらに軽くしたり、空気抵抗を減らしたりする新しい工夫が必要になる」(田辺社長)という。

自衛隊以外に、東南アジアの国からも国境監視の需要で問い合わせが来ており、これまでの多数の実証飛行実験で蓄積した知見やデータを活用する。

飛行高度は2000―2500メートルを想定。早期警戒管制機はこれより高空を飛びレーダー性能も高いが、燃料が少なくなったら帰還しなければならない。また離着陸に滑走路を必要とするため、滑走路を使えない場合は運用が難しくなる。

早期警戒管制機は1機数百億円、海上保安庁が導入を計画中の米国製大型無人機「MQ―9B」も同40億円近くするため、導入機数は限られる。これに対し、フジ・インバックの機体はブレを軽減できるジンバルカメラや衛星通信カメラを搭載しても同1億数千万円と安価。機数を多くそろえられるため、各地の飛行場に分散配置することで滑走路閉鎖のリスクを軽減できる。災害時対応などの際も、滞空時間延長の利点が生きる。