日鉄物産は環境・エネルギー、食品関連など新規・海外需要を取り組む一方、国内事業基盤を強化する。主力の鋼材を取り巻く環境変化に対応し、成長分野で2023年度に19年度比110億円、拠点の統合・撤退などで100億円の利益貢献を見込む。

22年4月には建材子会社などを再編した。新生・NS建材販売(東京都江東区)は、旧NST三鋼販の建材の販売、旧NS建材販売の工事施工、旧日鉄物産鉄建関東の加工という各機能を一体化。サービスを充実させ顧客満足度向上を目指す。

統合に伴って建築はデッキ工事、土木は軽量土木工事、特殊鉄構は大型照明鉄塔などの製作、新規事業の「鋼材」は在庫販売と鉄骨一次加工と中心的な役割を明確化。販売面は従来の独自顧客への相互乗り入れで拡販し、仕入面では規模の拡大で購買力を高め、原価を抑える。加工面では全国に14ある拠点同士の協力体制を整えた。 同じく4月に発足した新生・日鉄物産名古屋コイルセンター(愛知県知多市)は、自動車などモノづくりが盛んな地区で今後の環境変化にも耐えるべく薄板の事業基盤を強化する。旧三栄大丸を吸収したもので、加工設備を統廃合し高い競争力を維持するのが狙い。

日鉄物産は現在約80社強ある子会社を「23年度末までに約15%減の68社程度にする計画」としており、今後も再編を進める考えだ。

一方、ESG(環境・社会・企業統治)経営を深化すべく、成長分野の投資を続ける。米子会社を通じてバイオカーボンのスタートアップ、エイミウム(ミネソタ州)の第三者割当増資を引き受けた。バイオカーボンは石炭並みの熱量を持つ有力商材で、鉄鋼や発電分野の脱炭素化ニーズに対応していく。

また、大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を手がけるDAIZ(熊本市中央区)の第三者割当増資を引き受けて出資した。日鉄物産は畜肉の調達・供給を行っており、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の食糧対策などの観点で、高タンパク、低コレステロールの植物肉によりラインアップを強化する。