川崎汽船は凧(たこ)による風の推進力を利用して省エネ航行するシステム「Seawing(シーウイング)」を既存の載貨重量約18万トンの大型バラ積み船に搭載し、12月にも実証実験を始める。当初は2021年末に実証予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で製造や試験に遅れが出ていた。24年完成のJFEスチール向けの大型バラ積み船への搭載も決まっており、二酸化炭素(CO2)の排出削減を加速する。

欧州エアバスから分社した仏エアシーズと共同で開発を進めており、欧州で試験をしている。船首部に凧を取り付け、風を利用することで、航路や天候によるが、消費燃料が平均で2割程度削減できるという。ブリッジからの簡単な操作で凧を広げたり、格納したりでき、コンピューターと連動して効果的に風をつかまえることができる。

既存の船舶にも簡単に取り付けることが可能なため、新造船でなくてもCO2の大幅な排出削減が可能になる。川崎汽船では、バラ積み船以外の船種にも搭載を検討している。

同社は30年のCO2の排出量を08年比で50%減の目標を掲げる。液化天然ガス(LNG)燃料船を30年までに約40隻を投入するほか、液化石油ガス(LPG)燃料船の投入、アンモニア・水素燃料の導入も検討している。こうした技術にシーウイングを組み合わせることで、さらなるCO2の排出量削減を推進する。

24年完成のJFEスチール向けの大型バラ積み船もLNG燃料船で、相乗効果によりCO2排出量を45―50%程度削減できる見通しだという。