デスクやキャビネット、ワークテーブルなど、仕事に欠かせないオフィス用品を製造する関西オカムラ(大阪府東大阪市、鎌倉康雄社長)。工場には60台以上のロボットが並び、組み立てや塗装、梱包など主要部分の製造を担う。オフィス需要の縮小で「デスクそのものが下降気味」(鎌倉社長)な業界にあって、「人間とロボットが協業して付加価値をつける」ことで新たな需要の開拓を目指す。(大阪・大川藍)

関西オカムラは1960年に創業し、翌年からデスク生産を始めた。オフィス用品のイメージが強い同社だが、40年ほど前には油圧式ロボットの開発・製造も手がけていた。「電動化に遅れ、残念ながら事業を手放した」(鎌倉社長)一方、ロボ開発に携わった人材が多く残ったため、製造工程へ産業用ロボットを取り入れるのに抵抗は少なかったという。

「繰り返し作業はいずれロボットに置き換わる」と鎌倉社長が指摘する通り、同社ではささいな作業でも見逃さず、積極的に効率化を進めている。例えばデスク天板に穴を開ける作業はロボットが担い、位置決めのためのピンを抜く作業は人が行ってきた。ただ「全体の(作業)時間が延びてしまう」と担当部署から課題が挙がったため、ピンの回収ができるよう機械を独自に改良。天板の移動距離を最小限に抑え、作業時間の短縮に成功した。

関西オカムラは多くの工程にロボットを取り入れ、省力化に力を入れている

繰り返し作業だけでなく、重量物の製造や運搬など、危険を伴う作業や従業員に負担がかかる作業から優先して自動化を進める。多様な品種を扱う工程では画像認識など高度な技術を取り入れがちだが、同社では極力作業を単純化し「枯れた(確立された)技術を使って」(同)可能な範囲で内製化している。

「外部のベンダーに頼ると投資金額が上がる」(鎌倉社長)が、社内で機械化の方法を議論しながら改善することで投資額を抑えてきた。設備の内製化は自社のノウハウの蓄積につながるほか、「万一うまくいかなくても納得度が高く、トラブルからの復旧が早い」利点もある。

今取り組んでいるのが、これまで手が出せなかった天板のアール加工だ。オフィス需要の変化で木質系製品の注目が高まる中、同社では板金にメラミン化粧板を貼り付けた木製に近い風合いの商品を製造している。リモートワークの普及に伴い、木質系製品の中でも真四角ではなく曲線のある商品が伸びているといい、同社ではいびつな形状の「異形天板」の製造に力を入れている。

「木製よりスチールの方が薄く強度が高い」(同)が、スチール製の異形天板の角に丸みをつける加工は難しいため、商品化できる企業は少ないという。同社ではこれまでのノウハウを生かしてこうした工程を一部機械化し、量産化することに成功した。今後もさまざまな工夫を重ね、「スチールで何ができるか模索しながら、自社の強みを生かしたい」考えだ。