タクマは静岡大学と共同で、排ガス中の二酸化炭素(CO2)を固体炭素に変換する技術を開発中だ。固体化することで、CO2の貯蔵・運搬がより容易になる。加えて、固体化した炭素を、黒鉛や補強材などとして使うカーボンブラックなどカーボン製品に加工する技術開発も進める。CO2排出が避けられないゴミ処理プラントメーカーとして、CCUS(二酸化炭素〈CO2〉の回収・利用・貯留)技術確立で、脱炭素社会実現に挑む。

「CCUSで社会に貢献したい」とタクマエンジニアリング統轄本部技術センター研究部の佐藤和宏研究2課長は強調する。佐藤課長は4月に発足した、脱炭素技術の実用化に向けた研究をする同社専門組織の責任者だ。

タクマが研究するのは排ガスから回収したCO2をカーボン製品など化学原料に変換する技術。水素と、回収したCO2を反応させる「逆シフト反応」などで、炭素を回収。炭素を触媒反応により固体炭素に変換する。

開発中の同技術は「(CO2と水素からメタンを合成するメタネーションなど)一般的なカーボンリサイクルプロセスと比べて、必要な水素量が少ない」(佐藤課長)。高コストな水素の使用量が少ないため、比較的安価に運用できるカーボンリサイクル技術として普及が見込める。

バイオメタネーションの実験装置。右側のメタン発酵設備に水素を注入し、メタンを生成する(タクマ提供)

固体炭素を高付加価値なカーボン製品に加工する技術開発も進める。同社によると、カーボン製品の市場流通価格は1キログラム当たり数百円。佐藤課長は、半導体などに使われ、同価格が1キログラム当たり数千円から数万円とされる「ファインカーボンも製造できたら」と開発に意欲を燃やす。

タクマは、CO2を固体炭素化する技術以外にも、排ガスからCO2を分離・回収する技術やバイオメタネーションの研究開発を進めるなど、全方位戦略でCCUSに取り組む。同社の新技術開発の中枢である技術センターの宍田健一副センター長は「CO2排出抑制は、さらなる成長への挑戦だ」と話す。