大成建設は二酸化炭素(CO2)の吸収量が製造時の排出量を上回る「カーボンネガティブコンクリート」を中心に、環境配慮コンクリートを自社建設現場に本格適用する。専門部署を立ち上げ、原料の安定調達から社会実装までの技術開発、技術基準の確立を進める体制を整えた。鉄筋コンクリートや工場製造のプレキャストコンクリート(PCa)、現場打ちコンクリートで利用を増やす。自社の現場で打設する環境配慮コンクリートを、2025年度に21年度比10倍に拡大する。

カーボンネガティブを実現した環境配慮コンクリートの施工例(枠部分、大成建設技術センター)

大成建設は技術センター(横浜市戸塚区)に「T―eコンクリート実装プロジェクトチーム」を発足した。専従を含む30人規模で、自社開発や他社との共同開発、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主導するプロジェクトなどに取り組む。

環境配慮コンクリートして、CO2排出量をマイナス49%とした「T―eコンクリート/カーボンリサイクル」を訴求する。廃コンクリートや一般の焼却灰から酸化カルシウムを抽出し、セメント生産工程で分離されたCO2を固定・再結合させて炭酸カルシウムを生成。これを製鉄副産物の高炉スラグや骨材などと練り混ぜて仕上げる。 鉄筋コンクリートやPCa、現場打ちなど従来のコンクリートと同様に適用できる点を強調する。これまで同社技術センターの現場打ち舗装や舗装ブロック、壁部材に適用済みで、外部への施工も計画する。まずは炭酸カルシウムの安定調達やコストなど課題の解決に着手。実績を積み上げつつ、環境性能の評価手法や技術基準の確立につなげる。
また、従来に比べ製造時のCO2排出量を約80%減らした「同/セメント・ゼロ型」も提案する。すでに下水処理場のシールドトンネル工事や、地中送電洞道のインバートブロック(底盤)などに適用実績がある。セメントの代わりに高炉スラグと石炭灰を使用する「フライアッシュ活用型」や、高炉スラグを使う「建築基準法対応型」も前面に押し出す。 コンクリートは世界で年間約140億立方メートル(320億トン)、それを固めるセメントは年間で約40億トン生産されている。セメントの使用量は全体の約12%と低いが、製造過程で燃料や石灰石が大量のCO2を放出する。このためコンクリート製造時のCO2排出量は80%以上がセメント起因とされ、国内外でCO2を吸収するコンクリートの技術開発が活発化している。