8000製品、機種別に損益改善

電池や半導体関連製品などの製造・販売を手がけるマクセルは、投下資本利益率(ROIC)を重視し、2023年度にはROIC7%超の達成を目標とする。事業や製品の新陳代謝を通じ企業価値向上を目指す。財務統括役員の増田憲俊取締役は「従来は売上高や営業利益などを指標としており、利益面に偏りがちだった」と振り返る。

19年度にROICを本格導入。事業改革による営業利益の押し上げなどを背景に、19年度のマイナス0・1%から順調に上昇。ROICの分母に当たる在庫の適正化にも注力してきた。

他方で部品不足や原材料高を背景に、20年度末に約160億円あった在庫金額(棚卸資産)は、21年度末には約184億円に増加した。「先行手配し、利益に結びつける」(増田取締役)狙いだ。

18年頃からはROICの分子を改善するために、製品ごとの稼ぐ力をみる「PIPJ(機種別損益改善プロジェクト)」に取り組む。約8000ある製品を利益率が高いものから並べて俯瞰(ふかん)する。

赤字となった複数の製品を対象に、売価を上げたり原価を下げたりするなどして黒字化や赤字幅削減を目指す。時には販売終了の判断をする。21年度は赤字だったワースト170製品に対策を講じ、数十億円の赤字を削減したという。

事業の新陳代謝のため、ABC―XYZ(事業別損益管理)も18年頃から実施。A・Bを投資を進める事業、Cを育成しつつ事業継続の可否を見極める事業、Xを収益確保事業、Yを注視事業、そしてZを撤退事業とする。

営業利益率や成長性で分類。約60あった事業は縮小や統合などを通じ約40までに減少し、「全体ではクオーター(3カ月)ごとにモニタリングをしている」(増田取締役)。

こうした取り組みは、財務規律の“見える化”につながった。「社員間で共通の目標ができたことで、よいベクトルに向かっているのではないか」(増田取締役)と手応えを感じている。