TISは2021年度から3カ年の中期経営計画で、デジタル変革(DX)需要取り込みに向けた構造転換を急ぐ。「グループビジョン2026」の達成に向け、23年度の自己資本利益率(ROE)は12・5―13%に設定。長期的には安定して15%を達成できる体制を目指す。同期間では1000億円規模の成長投資も実行。収益性向上と成長投資の両立が持続的な企業成長のカギとなりそうだ。

従来は顧客の要望に応じた個別のシステム構築・運用支援などが事業の中心だった。DX機運が高まる中、顧客との共創事業や、同社ノウハウを活用したサービス型ビジネスなど、四つの戦略領域を設定。売り上げ全体に占める同割合を、20年度比約10%ポイント増の60%まで拡大させる。

現中計では合併・買収に700億円、ソフトウエア投資や人材投資などの内部強化に300億円を充てる予定だ。21年度は中国の技術企業などとの資本・業務提携を複数実行。コロナ禍の影響が長期化しクロスボーダー事業が苦戦する中、出資先との早期のシナジー創出が期待される。

構造改革により、戦略領域の割合は21年度に54%まで拡大。営業利益率も前年比1・1ポイント増の11・3%と伸長した。

ROEも改善傾向にある。20年度はコロナ禍の影響を受けた海外持分法適用会社に係る損失計上で、経常利益が減少。純利益が下がり、10・8%と落ち込んだ。21年度は営業利益率の向上や、子会社株式の売却・政策保有株式の縮減による特別利益で、純利益率が向上。14・0%と現中計最終年度の指標を前倒しする形で達成した。

岡本安史社長は「戦略領域への経営資源の集中により、利益成長やキャッシュ創出力が向上した」と評価。一方「投資先行段階のため収益性の面で引き続き課題がある」と気を引き締める。今後も「フロントラインの強化を中心に構造改革を推し進め、安定的にROE15%を実現できる企業への成長を目指す」(岡本社長)。