産業技術総合研究所の佐藤知哉主任研究員と穂積篤研究グループ長らは、傷ついても修復する透明曇り防止コーティングを開発した。刃で切りつけても30分で傷がほぼふさがり、3時間後には元通りになる。水滴で曇りにくく、レンズや太陽光パネルなどの保護と効率低下防止に提案していく。

水溶性高分子のポリビニルピロリドンとナノサイズ(ナノは10億分の1)の人工粘土粒子、シランカップリング剤を水中で混合して前駆溶液を作製する。これをスピンコートで塗布して加熱乾燥させると透明な曇り防止コーティングができる。シランカップリング剤が1%程度の配合では可視光透過率が90%以上になる。

水蒸気をコーティング膜が吸うため、加湿器の高湿度空気をあてても曇らない。相対湿度80%の環境に7日間置いても曇らない持続性を確認した。

コーティング膜を刃で切りつけても3時間後には元通りになる。膜が空気中の水分を吸って膨らみ、表面を移動して接触界面で粘土粒子などが拡散して、膜が自己修復すると考えられる。