中国の自動車市場に回復の兆しが出ている。日系自動車メーカー6社合計の7月の中国新車販売台数は、前年同月比8・4%増の約42万7000台と、2カ月連続で前年同月実績を上回った。6月に上海市のロックダウン(都市封鎖)が解除され、車の生産や販売の正常化が進み、政府の販売支援策も寄与した。ただ、一部で計画停電が実施されたほか、車の購買欲の低下を懸念する声もあり、不透明な状況が続きそうだ。

メーカー別の7月の新車販売は、トヨタ自動車が同6・0%増と、2カ月連続で増加。スポーツ多目的車(SUV)「ハリアー」などが好調だった。地方政府を含めた経済対策効果を追い風に、「集客イベントも奏功して販売が堅調に推移した」(同社)。

ホンダは同23・5%増と、2カ月連続で2ケタを超える増加となった。日産自動車は同4・6%増と、5カ月ぶりに増加。同社幹部は「半導体など部品の供給不足が改善し、7月に回復の兆しを確認できた」とした。

一方、マツダは同33・0%減と、16カ月連続で減少。三菱自動車やSUBARU(スバル)もそれぞれ5カ月連続、16カ月連続でマイナスとなり、各社で明暗が分かれた。

中国汽車工業協会によると7月の中国市場全体の新車販売は、同29・7%増の約242万台と、2カ月連続で増加した。うち乗用車は減税策などの効果もあり、同40・0%増の約217万台。商用車は同21・5%減の約25万台にとどまった。

電気自動車(EV)など新エネルギー車は大幅な増加が続き、同2・2倍の約59万台。うちEVは同2・1倍の約46万台だった。

中国では四川省や重慶市など一部地域で、猛暑による電力不足に伴い計画停電を実施。回復局面に水を差しかねない状況だ。トヨタは同省成都市の完成車工場の稼働を15日から停止したが、26日までに自家発電機を活用して通常レベルまで生産を戻した。自動車メーカーからは「他地域に計画停電が広がらないか心配している」との声も聞かれる。

需要の見通しについてある日系自動車メーカー幹部は、上海市でのロックダウン以降、「お客さまの心理が車の購入に向かわず、安定志向に変わった」と指摘。小型車などを中心に購買意欲の変化もみられ「景気の腰折れを含め心配していたが、気配が出てきている」(同幹部)と警戒を強める。