日産自動車は、ビークルエナジージャパン(茨城県ひたちなか市、池内弘社長)を連結子会社にする。官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)が保有する全株式を取得し、ビークルエナジーが新たに発行する普通株式を引き受ける。ビークルエナジーは主にハイブリッド車(HV)向けリチウムイオン電池を供給している。日産は主力HVに搭載しており、子会社化で電池の安定調達につなげる。

ビークルエナジージャパンは日立製作所の車載向け電池子会社が前身。INCJとマクセルがそれぞれ47%ずつ出資して2019年に設立した。日産はすでにビークルエナジーの株式取得の最終契約を締結した。買収額や最終的な出資比率は非公表。日産が連結子会社にした後も、現株主のマクセルと日立アステモは残る。

ビークルエナジーは車載向け電池のセルからパックまで一貫した生産体制を構築し、電池制御システムも手がける。現在は京都府、茨城県、岐阜県の3カ所で電池を生産。現在の生産能力はHV換算で年55万―70万台。日産の主力HV「ノート」や米フォード・モーターのHV向けに電池を供給している。

日産は26年度までに約2兆円を投じて電動化を加速。同年度までに世界で電気自動車(EV)とHVを計20車種導入し、日本で電動車の販売比率を55%以上、米国では30年度までにEVのみの販売比率を40%以上に引き上げる目標を掲げる。

ビークルエナジーはEV向け電池の研究開発も進めており、日産は将来に向けて電池技術者の確保にもつなげる。日産はエンビジョンAESCグループ(神奈川県座間市)にも出資しており、複数のパートナーを持ち、調達を安定化する。