帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が発表した8月の倒産件数は、TDBが前年同月比9・8%増の493件で4カ月連続の増加、TSRが同5・5%増の492件で5カ月連続の増加だった。足元の急激な円安進行で、企業にとってさらなるコスト増が懸念される。燃料高や人手不足による人件費高騰も追い打ちをかける。倒産件数の増勢傾向はさらに強くなりそうだ。

負債総額はTDBが同11・9%増の1059億600万円、TSRが同22・4%増の1114億2800万円だった。8月としては4年ぶりに1000億円超えとなった。内訳では1億―10億円の中堅規模の倒産が広がりを見せている。

円安による輸入コストの上昇などが要因となる「円安倒産」も急増している。TDBによると8月の円安倒産は7件発生した。8月としては2年ぶりの発生だったほか、単月で見ると6年ぶりの高水準だった。急激な円安を受けて「円安倒産予備軍も増えている恐れがある」(TDB)。

新型コロナウイルス関連倒産も増加している。TSRによると同50・7%増の193件で、2020年2月の集計開始以来、過去3番目の多さだった。

業種別では燃料価格の高止まり影響を受ける建設業や運輸業で倒産が増えている。運転手や作業員などの人手不足も深刻なまま。例えば運輸業でのコスト増は商品の仕入価格の上昇にもつながり、他の業種にも波及しかねない状況となっている。