日野自動車は、エンジン不正に伴う行政処分で取り消された型式指定を再取得する検討に入った。日野自は22日、エンジン4機種の型式指定を取り消す行政処分を受けた。現行エンジンの不正に関する調査は日野自、国土交通省ともに終了しており、今回の処分で一区切りとなる。日野自はサプライヤー向けの説明会で、型式指定の取り消しにより量産・出荷を停止している車種の生産再開時期のめどを示しており、今後型式指定の再取得に向けて申請の時機をうかがうことになる。(石川雅基)

日野自への処分が22日に節目を迎えた。国交省は8月3日から断続的に実施してきた日野自への立ち入り検査の結果を踏まえ、9月9日に道路運送車両法に基づく是正命令を発出。「約20年にわたる不正行為は、基準適合性に疑義のある製品を多数市場に送り出す事態を招き、極めて悪質」(斉藤鉄夫国交相)として、不正を起こさない開発・技術管理体制や型式指定の申請体制への抜本的な改革を求めた。

22日には3月に続いて2度目となるエンジンの型式指定を取り消す処分を実施。これで現行の全てのエンジン・車種への対応が明確となった。

今後、焦点となるのは型式指定の再申請の時期だ。日野自はまず10月7日までに国交省へ再発防止策を提出する。国交省幹部は「(日野自から)再発防止策の報告を受け、その報告内容が十分だと判断したタイミングで再申請を受け付ける」とし「判断にはそれほど時間をかけない」構えだ。

国交省への再発防止策の提出とは別に日野自は、組織風土・ガバナンス(企業統治)の強化策や経営責任の所在を取りまとめる。8月2日の会見で日野自の小木曽聡社長は「3カ月をめど」としていたが、10月中にも取りまとめる方針だ。

日野自はサプライヤー向けの説明会で、車両の型式のみ取り消された大型トラックを年内、エンジンの型式を取り消された中大型トラックを2023年夏にも生産再開したい考えを示している。「再申請も通常とほぼ同じプロセスとなる」(国交省幹部)ため、車両の型式指定の取得は2カ月程度、エンジンの型式指定の取得は1年弱かかる見通しだ。

そのため、車両の型式指定のみ取り消された大型トラックは、10―11月にも型式指定を再申請できれば、年内にも生産再開できる公算が大きい。ただ再申請できるかは、再発防止策と組織風土・ガバナンスの強化策の内容にかかっており、いまだ流動的な状況だ。