三井物産は、化粧品事業を強化するため、アイスタイルが発行した15億円の転換社債を引き受け資本業務提携した。2020年には男性向け化粧品を展開するバルクオム(東京都港区)と資本業務提携し、化粧品業界に本格参入。今回は、同業界でプラットフォームを持つ企業と手を組んだ。3―5年以内にバルクオムを含めて5社に投資する計画で、三井物産の同事業は新しいステージに入る。(編集委員・中沖泰雄)

三井物産が化粧品事業に力を入れるのは、世界で市場が拡大傾向にあるためだ。市場規模は年間51兆円で、そのうち、米国と中国、日本で19兆円、欧州主要国で7兆4000億円、東南アジアで2兆円を占める。特に東南アジアは中間所得者層の増加に伴い年率6―8%と高い成長率で推移する。

その理由について流通事業本部ブランド&リテール事業部ブランドマーケティング第二室の大木龍介室長は「ライフスタイルが変わり、身に着けるものよりも、自分自身に投資する時代になった」と推測する。

アイスタイルは化粧品の口コミなど総合情報サイトや電子商取引(EC)サイト、実店舗を運営する。大木室長は「メディアを持つだけではなく、オンライン・オフラインともに販売力がある」と評価する。

このアイスタイルと手を組むことで、化粧品目メーカーとの接点が得られ、新しい投資先を探す足がかかりになるという。さらに口コミサイトなどを運営していることから、消費者起点の事業を展開する糸口もつかめる。

今後、三井物産は国内外のネットワークを生かし、アイスタイルの海外事業でのパートナー発掘や紹介、国内流通事業での店舗開発や課題解決のサポートなどで協業する方向で協議する。

三井物産は化粧品業界でブランドに加え、プラットフォームも確保した。大木室長は「将来は一定程度の存在感を示せるようになりたい」と言葉に力を込める。今後は複数のブランドをうまくプラットフォームに乗せ、消費者起点の事業を展開できるかがカギになる。