いすゞ自動車は2023年3月をめどに電気自動車(EV)小型トラックを市場投入する方針を固めた。ディーゼルエンジン車と同一プラットフォーム(車台)を採用し、量産効果でコストを抑える。将来は電池容量を複数用意し、顧客が目的に合わせて柔軟に選べるようにする。藤沢工場(神奈川県藤沢市)で量産する。同社がEVトラックを発売するのは初めて。国内では三菱ふそうトラック・バス、日野自動車が小型EVトラックを発売済み。商用車トップシェアのいすゞが参入することで普及が加速する見通しだ。

いすゞが来春発売するのは小型の「エルフEV」。ディーゼルエンジン車と同じラインで混流生産する。部品や車体設計を共通化したことで、EVトラック専用ラインが不要。架装もディーゼル車と同じ方法で施せる。生産設備への投資を抑え、EVの課題であるコストを下げる。航続距離は150キロメートル程度を想定する。電池は韓国LGエナジーソリューションから調達する公算が大きい。

いすゞは19年1月から22年1月までの約3年間、航続距離が100キロメートルのエルフEVを使って実証を実施。モニター車13台を使用し、コンビニ配送や宅配などでの使い勝手を検証した。モニターで顧客のニーズや走行データ、充電時間などの情報を集め、今回の製品開発に生かした。

他社に先駆けて17年に小型EVトラックを国内販売した三菱ふそうは、23年春にラインアップを拡充する。これまで航続距離が100キロメートルだけだったが、新型車両は航続距離が80キロ、140キロ、200キロメートルの3タイプを用意する。22年6月に発売した日野自は航続距離が150キロメートル。海外では独ダイムラートラックが大型EVトラックを開発している。

脱炭素でEVトラックの需要は広がる見通し。ヤマトホールディングス(HD)は30年までにEV車両を2万台導入する。佐川急便は保有する軽自動車7200台を全てEVに切り替える。日本政府は40年までに小型商用車の新車販売を全てEVをはじめとする電動車などにする目標を掲げる。