日野自動車は27日、2023年3月期の連結営業利益が、前期比82・3%減の60億円になるとの見通しを発表した。エンジン不正に伴う出荷停止により、国内販売を大きく減らしたことが響く。ただ、好調な海外市場と為替の円安効果で黒字を確保する見込み。売上高は同4・8%増の1兆5300億円を予想する。不正の影響による取引先への補償額などが見通せないため、当期利益は非公表とした。

23年3月期の国内販売台数は、前期比2万1200台の減少となるものの、海外は同2万1700台増を予想。好調な海外販売によって、370億円の増益効果を見込む。東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは「国内販売が大幅に落ち込み、営業赤字を見込んでいたので、かなりサプライズ」と総括。ただ「顧客への補償などを含んだ特別損失がどれだけ膨らむか読めないので、最終赤字になる可能性は高い」との見方を示す。

資金面について日野自の松川徹財務・経理領域長は「足元で大きな影響はなく、金融機関や(親会社の)トヨタ自動車とも常に相談している」と問題がないことを強調する。

今後の課題は先進国市場だ。主力のインドネシア、タイなどのアジア市場は22年4―9月期に売上高2621億円、営業利益229億円を確保したが、日本とアジアを除く地域は「物流コストや材料市況が影響した」(小木曽聡社長)ため、営業損益は75億円の赤字だった。

また、米国や豪州ではエンジン不正をめぐる訴訟問題を抱え、米司法省の調査も受けているため「事業がどうなっていくのか読みにくい」(杉浦シニアアナリスト)状況だ。小木曽社長は訴訟への対応は「慎重に考えている」と述べるにとどめた。

日野自は22年3月期の年間国内販売台数の約4割に当たる車種で型式指定が取り消されている。少なくとも23年初夏頃まで一部車種は出荷できない見通しで、影響の長期化は避けられない。