ヌヴォトンテクノロジージャパン(京都府長岡京市、小山一弘社長)は、半導体メモリーを利用した水素センサーを開発した。接触燃焼式の一般的な水素センサーと比べて消費電力を1万分の1以下に抑えられる。バッテリー駆動に適しており、設置・保守費用が低減できる無線式センサーとして訴求する。水素製造プラントや燃料電池などでの利用を想定し、2025年度までに製品化を目指す。

ヌヴォトンテクノロジージャパンの水素センサーは、自社の抵抗変化型の不揮発メモリー(ReRAM)技術を応用して開発。水素との反応で半導体メモリーの抵抗値が減少する性質を利用して検知する。その変化を電流変換し、センサーとして機能させる。

水素センサーで一般的な接触燃焼方式では、ヒーター加熱による水素と酸素の燃焼熱を利用するが、同社センサーはヒーターレスとなるため消費電力を大幅に抑えられるのが特徴。約0・01ミリワットで稼働し、検知濃度は0―4%。装置寿命は10年以上という。

外部電源が必要な水素検知器の設置が困難な場所では、これまでハンディ検知器を使った点検を定期的に行う必要があった。そのため同社は、遠隔での水素漏れ監視や機器点検を可能とすることで運用・メンテナンスコストを削減できるバッテリー駆動の水素センサーの需要が見込めると判断。製品化を急ぐ。

調査会社のグローバルインフォメーションによると、水素検知センサーを含むガスセンサー市場は、27年までに22年比50%増の21億ドル(約3100億円)に伸びる見通し。

ヌヴォトンテクノロジージャパンは台湾ヌヴォトンテクノロジーの日本法人。同社が20年にパナソニック(現パナソニックホールディングス)の半導体事業を買収し発足した。