総合化学5社の2022年4―9月期連結決算が9日までに出そろい、全社が増収当期減益となった。営業、経常(税引き前)利益も前年同期を下回った。売上高は大幅な原料価格高騰を受けての価格転嫁や円安効果で全社が過去最高となった。一方、中国の景気後退などで化学品やディスプレー材料などの需要環境が急激に悪化し、市況も下落したことで利益は減少した。

下期も厳しい環境が続く見通し。子会社売却益の発生する三井化学を除く4社が23年3月期連結業績予想の各利益項目を下方修正。全社が売上高で過去最高、当期減益を見込む。

旭化成が同日発表した22年4―9月期連結決算は、営業利益が前年同期比24・2%減の858億円となった。堀江俊保取締役常務執行役員は「需要減少が大きく響いた」と語った。円安や原料価格上昇に伴う在庫評価益などは化学各社にとって利益押し上げ要因となるが、今回はこれが需要減速で吹き飛んだ。

世界的な景気減速の中で、特に中国のゼロコロナ政策や都市封鎖、不動産市場の低迷の影響が大きかった。スマートフォンなどの減少は三菱ケミカルグループや住友化学のディスプレー材料を直撃。不動産の低迷は家電需要などにも影響。半導体不足の長期化も響いた。これにより、三菱ケミカルグループのアクリル樹脂原料はじめ多様な製品の材料となるプラスチックや化学品の需要は低迷し、市況も悪化した。

下期は自動車生産の回復に加え、個社では住友化学や三井化学の好調な農薬販売、旭化成のセパレーター回復など明るさもあるが、全般的な需要環境は厳しい。原料のナフサ価格は上半期のに比べ下落しており、汎用品の売価下落や在庫評価益の減少も見込まれる。


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