厚生労働省は中小企業・小規模事業者向けの業務改善助成金を拡充する。30人未満の事業者に対する助成金の上限額を引き上げるとともに、助成対象経費の範囲を広げる。中小が賃上げしやすい環境を整備することにより、経済の好循環の実現につなげるのが狙い。6000件の利用を見込み、2022年度第2次補正予算案に約100億円を盛り込んだ。

業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを図る中小や小規模事業者の生産性向上のための取り組みを支援する制度。生産性向上を狙いに設備投資(機械設備、人材育成・教育訓練など)を実施し、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などの費用の一部を助成する。

今回の見直しでは事業規模30人未満の事業者について、最低賃金を引き上げる労働者が7人以上の場合、時給を30円引き上げると助成額を現行の100万円から120万円に、45円引き上げると現行の150万円から160万円にそれぞれ増やす。労働者が10人の場合は30円引き上げると現行の120万円から130万円に増やして助成する。

助成対象範囲も広げる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが15%以上減少した特例事業者の助成対象の経費として、現行の200万円以下の自動車、パソコンなどの端末・周辺機器に「関連する経費」を加える。

最低賃金をめぐっては、中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)が22年度の最低賃金の上げ幅の目安を全国加重平均で31円と決め、過去最大の上げ幅となった。物価上昇が続く中、人手不足への対応が迫られ、価格転嫁が十分できない中小は厳しい経営環境にある。