乗用車メーカー7社の2023年3月期連結業績予想が10日出そろい、全社が売上高を上方修正した。為替の円安を反映しており、トヨタ自動車を除く6社が営業利益と当期利益も上方修正した。一方で販売台数の見通しは、スズキを除く6社が下方修正。半導体不足解消のめどが立たない中、各社は設計変更や販売車種の見直しなどの工夫をしているが、厳しい状況は続くと見込む。

マツダは同日、23年3月期連結業績予想の営業利益を前回公表比200億円増の1400億円(前期比34・3%増)に上方修正すると発表した。22年4―9月期連結決算は、原材料高騰や中国のロックダウン(都市封鎖)の影響を受けたものの増収、各利益項目で増益を達成した。毛籠勝弘取締役専務執行役員は「サプライチェーン(供給網)の問題で生産台数を伸ばせない中、収益力改善を進めた」と説明した。

各社が23年3月期連結業績予想を上方修正した最大の要因は急激な円安だ。マツダは営業利益が為替効果で656億円上振れすると見込む。想定為替レートは1ドル=136円と、8月公表比で13円円安に見直した。販売奨励金(インセンティブ)抑制も各社の業績に寄与する。

スズキは23年3月期の年間売上高が初めて4兆円を超える見通しだ。鈴木俊宏社長は「好決算だが、半導体不足などの中で生産の組み替えといった努力をした結果」と話す。

トヨタは営業利益と当期利益の見通しを据え置いた。円安や原価改善による増益を見込むが、販売減やロシアでの生産終了に伴う費用が押し下げる。

世界販売台数は6社が下方修正。日産は30万台減の370万台とした。内田誠社長は「サプライチェーンの混乱は改善しつつあるが、回復のペースは想定より緩やか」と説明する。米国で受注残が高止まりしている」(中村知美SUBARU〈スバル〉社長)など需要は堅調だが、生産制約が足かせとなっている状況だ。


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