電機8社の2023年3月期連結業績予想は、為替の円安効果などで5社が前回予想から売上高を上方修正した。一方、利益面では世界的インフレや中国のロックダウン(都市封鎖)などを背景とする需要の減少、部材の不足や価格高騰といったマイナス影響が目立ち、円安のプラス効果を除いた環境は厳しさが続く。22年4―9月期の各社の事業別ではデジタル変革(DX)の機運を受けたITサービスが好調に推移している。

23年3月期売上高を上方修正したのはソニーグループ、日立製作所、パナソニックホールディングス(HD)、三菱電機、東芝の5社。ただ、パナHDは米国子会社ブルーヨンダーの顧客投資控えなどによる利益減や電子部品市況の悪化などの影響を見込み、営業利益を前期比減益となる予想に下方修正した。東芝はハードディスク事業の製品保証引当金の計上や市況の悪化、子会社ののれん減損といった要因で、営業利益を前期比減益の予想に見直した。

三菱電機は素材価格や物流費の高止まり、半導体・電子部品の需給逼迫(ひっぱく)などから営業・税引き前・当期の各利益見通しを据え置いた。シャープは円安によるマイナス影響や大型ディスプレー市況の悪化などを勘案し、営業・経常・当期の各利益予想を下方修正し、売上高の予想は据え置いた。各社はコスト削減や価格転嫁などに取り組むが、需要の減少、部材・物流費の高止まりといった経営環境の厳しさが続く。

そうした中、22年4―9月期に各社で好調だったのがDX需要を受けたITサービスやデジタル関連事業。日立製作所は、デジタル技術を活用したルマーダ事業で、DXコンサルティングやシステム構築(SI)、デジタルサービスの基盤となる機器・設備などが堅調。同事業売上高は前年同期比54%増の8790億円に伸びた。

東芝は、子会社の売却影響があったものの官公庁や民間向けのシステムの売り上げが増加。富士通は部材供給遅延の影響を受けつつもITサービスは国内外で堅調で、受注も拡大した。NECも企業向けITサービス事業が旺盛な需要を受け、売上高、調整後営業利益、受注が前年を上回って推移。同事業の23年3月期売上高と調整後営業利益の予想を上方修正した。


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