建設機械4社の2023年3月期連結業績予想はコマツと日立建機が売上高、当期利益とも上方修正、コベルコ建機は経常利益を下方修正、住友建機は若干上乗せも前期比では減益となる見通しだ。格差が生じた理由の一つが部品調達力。建機需要自体は好調であるにもかかわらず、日野自動車のエンジン不正問題や中国・上海のロックダウン(都市封鎖)の影響などで工場生産が思うように行かないメーカーもあり、機会を逸失。値上げ力の差も響いた。下期は各社とも改善に取り組むが、調達難の制約はなお尾を引きそうだ。

神戸製鋼所はコベルコ建機をはじめとする建設機械部門の経常利益見通しを、前回の75億円から40億円に引き下げた。前期の120億円と比べると3分の1と大幅に縮小する。日野自動車製エンジンの不正認証問題で、欧州市場を中心に主力機種が売れないダメージが響く。中国と東南アジア市場も、中国企業による安値攻勢の影響を強く受ける。「中国大手は中国市場の低迷で余った建機をインドネシアで安く売っており、その影響を受けた」とコベルコ建機は説明する。

住友建機も建機の引き合い自体は好調だったものの、部品調達難が足かせになった。ハーネスやセンサーなどの電子部品に加え、エンジンも影響。日野自動車のエンジン不正の影響で、住友建機の主要調達先であるいすゞ自動車に注文が集中。台数の多いトラック用エンジンが優先されたため、建機用エンジンを思うように調達できない事態が生じたという。下期も調達難が続くとみる。値上げも海外は比較的浸透した半面、国内の遅れが重しになった。

コマツや日立建機はこうした影響が少なかったことに加え、為替の円安進行や値上げの浸透が追い風になった。日立建機は「中国からの部品がなかなか入らなかった状況は7―9月期には解消した」(平野耕太郎社長)とし、コマツは「10―12月期からは原価の増加分を価格引き上げ分が上回る見通し」(小川啓之社長)だ。

世界の建機需要の伸びをけん引しているのは北米やアジア。コマツは4―9月期の建機・車両部門の売上高で米州が前年同期比40・6%増の6380億円、アジアは同92・3%増の2143億円となった。日立建機も北米が同23・4%増の1150億円、豪州などオセアニアが同40・9%増の1137億円、アジアが同45・7%増の520億円で中国の落ち込みをカバーした。コベルコ建機と住友建機は中国依存脱却を進めているものの現在は途上で、影響もその分大きい。


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