商工中金は中小企業の環境・社会・企業統治(ESG)に関する取り組み状況の調査結果をまとめた。ESGのうち、今後最も注力したい分野として自社製品・サービスにおける「環境面での付加価値の訴求」を挙げる企業が約2割と最も多かった。

ESGを進める上での課題については、対処方法や他社事例などの「情報不足」とする企業が約4割を占めた。また自社の二酸化炭素排出量(CO2)を算定したり、削減目標を設定したりする予定のない企業はいずれも約8割に上った。

ESGの分野別取り組み状況に関しては、過去最も注力した活動として残業時間の削減や有給休暇の取得促進など「労務環境対応」を挙げた企業が28・8%と最多を占めた。今後、最も注力したい分野では、「環境面での付加価値の訴求」が17・6%と最も多かった。

ESG実践の課題では、分野を問わず「情報不足」を挙げる企業の割合が38・2%と最多で、「人材不足」が27・2%、「対応コストが高い」が19・7%と続いた。中小からは「どのようにCO2排出量を測定・把握するか分からない」(食料品製造業)、「クリーン水素の導入が可能か情報収集中」(旅館・ホテル業)との声があった。

また脱炭素・エネルギーに関する対応状況については、自社のCO2排出量を測定済みとした企業は7・1%、検討中が11・8%、CO2の削減目標を設定済みとする企業は3・9%、検討中は14・0%にとどまった。ESGや脱炭素について中小への情報提供を強化することが、具体的な取り組みを後押しするカギになりそうだ。

同調査は商工中金の取引先中小企業約1万社を対象に実施し、約5200社から有効回答を得た。調査時点は7月1日。