いすゞ自動車、日野自動車の上場商用車2社は、堅調な海外市場と為替の円安効果を背景に2023年3月期連結業績でともに増収を予想する。いすゞは国内販売が伸び悩んだが売上高、営業利益、当期利益を上方修正し、それぞれ過去最高を見込む。3月にエンジン不正を公表した日野自も海外販売台数が伸長し、出荷停止などで減少した国内販売を補う見通し。ただ半導体不足が期初の想定よりも長期化しており、生産の正常化は来期以降にずれ込みそうだ。

いすゞの南真介取締役は22年4―9月について「為替の変動が大きな改善要因であることは明白」と強調。加えて「日本市場での(半導体不足による)制約を、海外での生産振り替えやアフターセールスで下支えできたことも大きかった」と振り返る。下期も引き続き、主力のタイでピックアップトラックの需要が前期から回復するとみる。

23年3月期の世界販売台数は前期比11%増の80万台を計画。半導体不足の長期化で期初見通しよりも2000台下方修正したものの、円安効果によって売上高は期初見通し比3・3%増、営業利益は同15・0%増を見込む。

日野自も22年4―9月期は東南アジアをはじめとする海外市場が販売を牽引(けんいん)した。主力のインドネシアでは「天然資源価格の高騰などにより内需が回復した」(小木曽聡社長)ことで前年同期比61・1%増、タイでも堅調な経済を背景に同8・7%増となった。

23年3月期の営業利益はエンジン不正による国内販売台数の減少や材料市況の高騰といった減益要因を海外販売の伸長、円安効果などで吸収する見通し。

日野自は22年3月期の国内販売台数の約4割に上る車種で型式指定が取り消されており、対象車を出荷できない状況が続く。ただ23年3月期の販売台数は国内が前期比36・4%減を見込むものの、海外販売が同22%増となり、前期を上回る計画だ。

今後も想定より長引いている半導体不足が懸念材料になる。いすゞの南取締役は「半導体の調達が最大の問題。改善傾向にあることは確かだが、いまだ要望しているレベルには到達していない」とする。同社の中俣直人常務はこれまで、23年3月までに正常化すると説明してきたが「改善は来期前半を想定している」と見通しを修正した。

国内で減産している日野自も半導体不足で「一部車種で生産に遅れが生じている」(同社)という。