日野自動車はエンジン試験の不正によって3月に型式指定が取り消された大型トラックの一部車両に関し、型式指定を国土交通省に再申請した。国交省による審査が順調に進めば、2カ月程度で再取得できる見通し。既に小型トラックと中型トラックの一部車両で出荷を再開している。大型トラックも出荷できるようになれば、ラインアップがそろい経営再建に向け前進となる。

日野自が型式指定を再申請したのは、3月に国交省から燃費性能が基準に満たないとして車両の型式指定を取り消された大型トラック「プロフィア」のうち「A09Cエンジン」を搭載した車両。同車両の2022年3月期の国内販売台数は約9300台。同期に国内で販売したトラック、バス合計の約15%に上る。

自動車の量産・出荷に必要となる型式指定の再取得は国内初のケースとなる。国交省によると「再取得の審査プロセスは通常とほぼ同じとなる見通し」。そのため、申請から2カ月程度で型式指定を取得できる公算が大きく、早ければ23年1月にも出荷が始まる可能性がある。

日野自は10月7日、型式指定の申請体制や不正を起こさないための組織風土改革などを盛り込んだ再発防止策を国交省に提出し、小木曽聡社長ら経営陣の処分を発表。これを踏まえて国交省は10月から「日野自と再申請に向けた調整を進めてきた」という。

日野自は3月から大型トラックの出荷を停止していた。今回再取得できれば小型から大型までラインアップがそろう。ただ、国内販売台数の20%強に当たる車両でエンジンの型式指定が取り消されている。再申請するには、排出ガス試験を7―9カ月程度かけてやり直す必要があるため、当面苦境が続くことになりそうだ。