住民が観光客 “おもてなし”

オムロン子会社のオムロンソーシアルソリューションズ(OSS、東京都港区、細井俊夫社長)は28日、全国にある空家を定額で貸し出すサービスを手がけるアドレス(同千代田区、佐別当隆志社長)、街づくり会社のmachimori(静岡県熱海市、市来広一郎社長)の2社と、静岡県熱海市を訪れる人々を住民が自家用車で送迎するなどの実証実験を12月から始めると発表した。住民の高齢化や過疎化で公共交通が脆弱(ぜいじゃく)化する熱海で移動手段を提供。同市を訪れる人と住民の助け合いを促し、地域活性化につなげる。

2023年2月まで行う実証実験ではOSSのスマートフォンアプリケーション「meemo(ミーモ)」を活用。ドライバーと利用者がそれぞれ登録し、利用者が目的地をアプリ上で設定すると、対応可能なドライバーが表示されてマッチングする。利用者はアドレスが提供する空き家を利用したり、ワーケーションを実践するなどで熱海を訪れたりする人が対象。ドライバーは地元住民が担う。送迎は無償で実施し、ガソリン代などの実費については実証実験終了後にOSSが支給する。

実証実験ではこのほか、machimoriによる体験プログラムへの参加や、交通以外の取り組みの実施なども目指す。住民や自治体、事業者の抱えるニーズを探り、交通以外にもさまざまな共助の取り組みを増やしたい考えだ。

OSSの細井社長は「当社など3社と地元の『四方よし』の取り組みにしたい」と意気込みを示した。また、「熱海と同様(高齢化や過疎化など)の課題を抱える自治体は全国に約1500ある。年間150億円の市場規模があると想定している」(細井社長)と説明。「実証実験で見えてきた課題を踏まえて今後の事業化を目指したい」(同)などと話した。