アダマンド並木精密宝石(東京都足立区、並木里也子社長)は直径12インチ(300ミリメートル)のサファイア基板を開発した。窒化ガリウムなどサファイアとは異なる物質を基板上に成長させる「ヘテロエピタキシャル成長」が可能。自動車や通信基地局などに搭載する次世代パワー半導体、マイクロ発光ダイオード(LED)など発光素子の開発に生かせる。サファイアを含めた基板・素材の受託加工サービス事業の売上高を5年後に100億円規模にする。

アダマンド並木はこれまでに直径2インチ(50ミリメートル)、4インチ(100ミリメートル)、6インチ(150ミリメートル)、8インチ(200ミリメートル)のサファイア基板を開発、販売しており、今回の12インチが最大サイズとなる。

大口径化によりパワー半導体や高周波、発光素子など多様な次世代デバイスの開発のほか、12インチ半導体の製造プロセスにおける各種基板の搬送用治具として活用できる。

同社によると半導体用途で12インチのサファイア基板を製造販売するのは業界で初めて。基板表面の不純物を除去する洗浄技術や形状制御技術などを改善し、大口径化に成功した。

サファイア基板は鉱物で最も硬いダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち耐熱性や耐食性などに優れている。現状はLED光源の下地基板としての利用が主流だが、近年はLED以外の次世代デバイスの開発にサファイア基板の採用を検討する半導体関連企業からの需要が拡大。シリコン基板に並ぶ、12インチの大口径化に向けた研究開発を進めていた。

同社はサファイア基板のほか窒化ガリウムや窒化アルミニウムなど各種素材の受託加工サービス事業を2020年に開始。基板の販売に加え高度な加工技術を提案し、企業の次世代デバイスの開発をサポートしている。


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