三菱ふそうトラック・バスは、工場の敷地内で重量物を無人で運ぶ電動けん引車の実証実験に乗り出した。人員不足対策や業務負荷の軽減につなげる狙い。無人けん引車の実用性や安全性を確認して導入を検討する。

同社は10月に実証実験を開始した。親会社である独ダイムラートラックでも導入に向けて検証する仏イージーマイルの車両を活用している。同車両の最高速度は時速11キロメートルで、最大25トンの重量物をけん引できる。

重量物を運ぶ無人けん引車は空港のように障害物が少なく、広い場所で走らせることが多いため「モノが不規則に置かれ、人や車両が縦横無尽に行き交う国内の工場で活用するのは珍しい」(三菱ふそう生産本部サプライチェーン統括部物流自動化&デジタル化の山内浩平マネージャー)という。

19日には三菱ふそうの川崎製作所(川崎市中原区)で、車両エンジンの運搬を想定した実証実験を実施。荷物を積むトレーラーを2台けん引し、エンジンを製造する建屋から屋外を通って組み立てラインまで約900メートル走行した。遠隔監視システムはパナソニックホールディングス(HD)の製品を活用。緊急時にはオペレーターが操作できるようにした。

実証実験では、あらかじめ決められたルートを時間通りに走り、周囲の人やモノと衝突しないか確認した。

三菱ふそうの山内マネージャーは「安全性と安定性には、好感触を得ている」と評価。「今後も違った環境での実証実験に取り組み、将来的な導入を検討したい」という。

今回の実証実験は、三菱ふそうが2017年から取り組む、生産現場の生産性と安全性を先進的な技術で高めるプロジェクト「ファクトリー・オブ・ザ・フューチャー」の一環。ロボットやITシステム、自動化に投資することで、人材不足の解消や労働環境の改善などを目指している。