ホンダは、独自の人工知能(AI)を活用した一般道路での運転や駐車の支援システムを開発する。高速道路などと比べ、環境が複雑で変化も激しい一般道路の安全運転支援においては、高精度地図に頼らず、カメラなどで把握した道路状況をAIで即時に分析する技術が必要だと判断した。2020年代後半以降の技術確立、実用化を目指す。(江上佑美子)

ホンダは21年に高速道路渋滞時の自動運転技術を搭載した高級セダン「レジェンド」を発売。世界で初めて自動運転レベル3を実用化した。同技術には、カーブなどの道路情報を収録した高精度地図を用いた。ただ交差点など複雑なシーンが多く、歩行者や自転車もいる一般道路では高精度地図よりもAIの活用が効果的だとみる。

一般的なAIでは機械学習が重要だが、ホンダは対象物を抽象的に認識し「自力でデータの規則性や特徴を導く独自のAIを確立する」(玉川裕執行役)方針だ。AIを活用し、幹線道路の渋滞時や高速道路での合流分流時に手を放して走行するハンズオフ機能の実用化を目指す。車の呼び出し、乗り捨て可能な自動バレーパーキングの実現も図る。

ホンダは14年にセンサーを用いた先進安全運転支援システム「ホンダセンシング」の展開を始めた。21年の自動運転レベル3実用化においては、より高度な「ホンダセンシングエリート」を開発、搭載した。エリートの知見を用い、一般車向けに「ホンダセンシング360」を開発。12月から順次導入する。

360の高度化も推進。高速道路での渋滞時以外も含めたハンズオフ機能、車線変更や追い越しを支援する機能を開発した。

運転手の状態を検知、危険回避する機能も24年から順次導入する。運転手の視線や姿勢を車内カメラで把握。居眠りなどの異常時は音やディスプレーで警告し、応じない場合はハザードランプと音で周辺に注意喚起しながら減速、停車する。

ホンダは21年、50年の全世界でホンダ車が関与する交通事故死者ゼロ達成を目標に掲げた。今回の取り組みはその一環だ。

他の自動車メーカーも対策を進めている。マツダは11月、40年をめどに同社の新車が原因の死亡事故ゼロを達成する方針を示した。丸本明社長は「高度運転支援技術の開発を継続する。運転者や同乗者はもちろん、周囲の人も安全、安心な車づくりを進める」と強調する。SUBARU(スバル)は30年にスバル車が関与する死亡事故ゼロを目指す。