金沢大学の西川裕一助教らは、「スマホ首」や「ストレートネック」と呼ばれ、若年者をはじめ幅広い年代で急増している頭頸部前方位姿勢(FHP)における疲労感の原因を解明した。常に頭が前に出たFHPでは、背中の上部表層に広がる僧帽筋上部線維の筋活動異常が生じていることが分かった。頭頸部位置を変えるだけでは疲労や筋活量は変化せず、アームレストなどの活用が必要と示唆された。長時間座位姿勢をとる新幹線や飛行機などのシート開発やFHP治療への応用が期待される。

習慣的にFHPをとっている若年者9人と頭頸部位置が正常な若年者10人を対象に、リクライニングシートを用いて安楽姿勢と頭頸部を前および後ろに出した3姿勢を各30分保持させた。その後、高密度表面筋電図を用い、筋活動と疲労の関係を調べた。その結果、FHP群は正常群に比べ、全ての姿勢で疲労の訴えが強く、僧帽筋上部線維の過剰な筋活動が起こっていた。

正常群ではピローを使ったニュートラル姿勢では疲労の訴えや筋活動量が少なかったが、FHP群ではピローにもたれても疲労しやすく、どの姿勢においても疲労の度合いは変わらなかった。

FHPは肩こりが主な症状で、姿勢保持の耐久性が低下する。重症化すると頭痛やしびれ、背骨の変形などを引き起こす。スマートフォンの普及などに伴い急増しており、予防や治療法確立が求められている。中京大学、広島大学、米マーケット大学との共同研究。