バルカーは子会社を通じて半導体製造用の高純度薬液を保管する「ライニングタンク」の新工場を愛知県田原市に建設する。同社は据え置き型のタンクで約3割の世界シェアを持つとされるが国内生産から撤退しており、現在は米国と中国、台湾で生産している。半導体需要の高まりを受けて国内生産を再開するほか、新工場を中核拠点と位置付け技術開発に磨きをかける。

投資額や生産能力は非公表。新工場の敷地面積は約1万1500平方メートルで、延べ床面積は約5500平方メートル。7月から建設を始め、2025年1月の生産開始を予定する。工場稼働に合わせ、自治体とも連携しながら高度技術者を含む人材の新規採用を強化する。資金の一部に国の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」を活用する。

新工場は国内顧客向けの製品を中心に手がけ、台湾などへの輸出も視野に入れる。バルカーは特に純度の高い薬液の貯蔵や搬送に使う先端半導体向けのライニングタンクに強みを持つ。

半導体の重要度が高まる中、国内における半導体生産の再度の隆盛に向けた動きが強まっている。国内顧客の要望も強く、先端半導体市場は将来にわたり需要が見込めるとの判断のもと国内拠点を整備し、半導体サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化に貢献する。