大成建設は土砂の押し出し・敷きならし作業を自律制御するブルドーザーを開発した。各種センサーの活用により、ダンプトラックなどから排土された土砂を検出。その位置や大きさ、形状などの情報を基に、最適な押し出し経路を自動で作成する。栃木県鹿沼市で手がける「南摩ダム本体建設工事」で、ブランケット(堤体の保護盛土)工事での導入を計画している。

同社が2021年に開発し、建設現場への導入を進める自動運転ブルドーザー「T―iROBO Bulldozer」の機能を拡張した。人工知能(AI)を活用した画像センシング機能も備えており、築造工事で使えない岩石片や岩を検出し施工品質を高める。また自動・自律運転中の進行方向に人や障害物を検知した場合は、確実に緊急停止させるシステムも搭載している。

同ブルドーザーは、振動ローラーやクローラーダンプ、バックホウ(油圧ショベル)などとともに自動運転する建機を協調運転させる独自のプラットフォーム「T―iCraft」を搭載。現場の操作室から遠隔操作によって協調運転させる。現在は限られた条件・場所での運用だが、有人建機との併用などが進めば人手不足の解消や生産効率化といった効果を引き出せる。


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